希望(ゆめ)を未来へつなぐ道 浦和美園ー岩槻地域ガイド

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浦和美園~岩槻 暮らしの日記帳

「話してみたい!」ワクワクと人がつながる店

2022.12.14

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岩槻駅東口から徒歩3分の場所にある「和牛×炭火×野菜 おくゆき」。
実際に店舗にお邪魔して店主と話してみると、美味しい食事だけでは語り切れない、このお店の魅力が見えてきた。

okuyuki_02r.pngこちらは、店主兼焼き師の奥田浩行(おくだひろゆき)さん。

とても気さくなユーモア溢れる楽しい方で、昭和歌謡が好きだという話をしたかと思うと、実際に昭和歌謡を歌い始める一幕も...(笑)
そんな奥田さんに、自身のこだわりや、岩槻で炭火焼店を開業してみて感じたこと、地域との関わりなどについてお話を伺った。

 

獣医学部から飲食の道へ

奥田さんは埼玉県春日部市出身で、大学では獣医学部を専攻。卒業後、飲食の世界へ飛び込んだ。「獣医学部から飲食業へ?なぜ!?」と周囲を驚かせた進路転換だが、そこにはきちんと理由があった。
学生時代、個人経営の居酒屋でアルバイトをしていたという奥田さん。そこで自分は「接客が好き!」ということに気が付いたそう。進路を決めるタイミングで、アルバイト先のマスターに「飲食やってみたら?」と誘われたこともあり、大学卒業後は調理師専門学校で1年間調理を学び、飲食の世界へ進んだという。

okuyuki_03.png専門学校を卒業後は都内の料亭に2年間、その後、50年の歴史を持つ広尾の炭火焼店「MyRoom雲母(きらら)」に10年ほど勤めた。
業種やコンセプトの異なる2つの店舗で働いてみて、奥田さんは気が付いたことがあった。それは、「自分はお客様と近くで話せるカジュアルな接客が好き」ということ、「シンプルが美味い!」ということだ。
炭火焼店で働いてみて、「塩だけで野菜がこんなに美味しいんだ!」と素材の味を引き出す調理法に感動したという。

独立を考え始めたとき、岩槻で長年愛されていた「和風牛肉料理まつもと」さんが店を閉めることを知った。縁あって、物件や肉の仕入れルートを奥田さんが受け継ぐことに。
こうして岩槻で自身のお店「和牛×炭火×野菜 おくゆき」を開業したのだ。
「独立するなら地元の埼玉が良い!」とずっと思っていたとか。

 

「食材についてもっと知ってもらいたい。」

奥田さんは趣味のバイク旅で全国各地を巡り、その土地その土地のおもしろい食材に出会ってきたという。そんな経験を活かしつつ、県内農家との直接取引など、地元ならではの食材にもこだわっているそう。

特に、岩槻ならではの食材はお客様も興味津々だとか。
お店では、岩槻のヨーロッパ野菜を仕入れて提供している。
「岩槻と言えばヨーロッパ野菜!」とさいたま市民は知っている人が多いかもしれないが、市外の人にはほとんど知られていないそう。また地元の人でさえ、どう調理したらよいかわからないという意見も多いのが現状だ。
ヨーロッパ野菜以外にも、岩槻でも栽培されている埼玉県のお米「彩のきずな」も提供している。2年連続で特A米に認定されている埼玉県自慢のお米なのだが、こちらもあまりお客様には知られていないそうだ。

そこで、「食材についてもっとお客様に知ってもらいたい!」と、奥田さんは資料やヨーロッパ野菜など、実物の食材を見せてお客様に紹介しながら、一品一品提供。
実際に「和牛×炭火×野菜 おくゆき」で食事をした後、奥田さんから得た情報を知人に紹介したり、ヨーロッパ野菜を買ってみたりというお客様も多々いらっしゃるそうだ。

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岩槻に来て感じた「人のつながり」

人と人がつながりやすい岩槻。
岩槻にいるとそれを感じることがたくさんある、と奥田さんは話す。

都内は店が多すぎて、横のつながりがほとんどないとか。また、SNSでの集客率が高く、地域とのつながりも薄いと感じていたという。

埼玉県が地元であることもあり同級生などの人脈も豊富だったが、岩槻でお店を構えることになってからは特に岩槻の横のつながりに驚き、それを楽しんでいるという。
「こんなことがしたい!これが欲しい!」ということが地域の人のつながりで実現することがあるとか。
例えば、奥田さんが「彩のきずな」を提供するようになったのも、店舗近くの別のお店や常連さんたちから地域のお米屋さんを紹介してもらったことがきっかけだそう。また、地域で同じく個人店を営んでいる仲間ができたり、ヨーロッパ野菜を扱う「ヨロ研カフェ」のアルバイトさんがお客様として来てくれたり、お客様とお店だけでなく、人と地域がつながっていることを感じているという。

岩槻には、長年地域で愛されている古き良き料亭もあれば、若い人が軸となって新しい形のコミュニケーションの場を提供するお店も増えてきている。どちらも共通しているのは、「そこに行けば岩槻ならではのワクワクがある!」ということ。
奥田さんの話もそうだが、職業や年齢に関係なく、自分の趣味や自分ができることをフラットな関係で認め合い、尊敬し、共生する。人と人が近く、地域とつながりやすいという特徴を持つ岩槻だからこそ、一歩踏み出せば自分の想像を超えるワクワクを掴むチャンスが岩槻にはあるのではないだろうか。奥田さんの話を聞いてそう感じた。

お店は、10月に4周年を迎えた。今後は岩槻ねぎなど、もっと地元野菜を使ったり、地域の祭りに出店したりしたいとのことだ。

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こだわり抜いた食材と、塩のみで味付けされた、シンプルだが極限に美味しい炭火焼。まさに、店名の由来である「素材本来が持っている奥行きのある味を楽しんでください」を体感できるお店だ。奥田さんのお名前を見て気がついた方もいるかもしれないが、奥田さんのお名前も店名の立派な由来となっている。そんな、ユーモア溢れる奥田さんの人柄と楽しい接客も、地域から愛される理由の一つではないだろうか。
人を大切にし、地域から愛されている、そんな「和牛×炭火×野菜 おくゆき」に一度行ってみてはいかがでしょうか?

 

最後に...

奥田さんのユーモアに惹きつけられ、「面白い!楽しい!」で満ち溢れた時間だった。
獣医学部から飲食の世界へ進んだことに驚いたが、自分が好きなことを見つけ、それをとことん突き詰めている奥田さんを見て「楽しそう!」と思った。「楽しい!」と言って生きている人の周りには、同じく苦労しながらも「楽しい!」と生きている人が集まり、一人ではできなかったことが実現する楽しさと充実感、感謝、そして人を大切に思う気持ちが生まれるのだな、と感じた。
奥田さんと話していると、「接客でも喜んでもらえるお店にしたい」という想いの通り、ラジオを聴いているようで、楽しくいろいろな発見があり、元気になれる。もっとお話を聞いてみたい!それを誰かに話したい!とお客様の満足度が高い理由がわかった気がする。

 

店舗情報

店名 和牛×炭火×野菜 おくゆき
住所 埼玉県さいたま市岩槻区本町3-8-15 平野ビル2階
電話 048-794-2783
営業時間 11:30~14:00/ 17:30~22:00(※予約制)
定休日 毎週火曜日・第2、4水曜日
Web・SNS情報 HP:https://okuyuki-sumibi.com
Instagram:@okuyuki.sumibi
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